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仏具のはてな

2017年4月17日 (月)

妙鉢 「中目」「重目」と「手打ち品」のちがい

先週の火曜日からの久々になります。

前回は、妙鉢の材料や「中目」「重目」の違いについて書いてみました。
今日は、「中目」「重目」と「手打ち品」の違いについてのお話。

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         ↑ ↑ ↑

※弊社、「手打ち品」 栄龍 の妙鉢です。


重さは、「重目」品も「手打ち品」もさほど変わらないとお話ししました。

では、何がどう違うのか?



●作り方のちがい。

簡単に言うと、薄い板から作るのと、分厚い板から作るのとの違いでしょうか。

「重目」は「手打ち品」より薄い板を使用し、「へら絞り」という技法で
成形し、全体の厚みがほぼ同じ状態で仕上がります。

「手打ち品」は「重目」より分厚い板を使用し、鍛金とか鍛造とか呼ばれる技法で成形します。分厚い板を金鎚で叩いてのばし妙鉢の形状にしていきます。
この場合「重目」と何が違うのかというと、縁(ヘリの)厚みが違います。
「手打ち品」の縁(へり)は、分厚い板の厚みを残します。

その仕上がりの写真が ↓↓↓



「重目」  ↓↓↓



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「手打ち品」 栄龍 ↓↓↓



1103263_2

「重目」より「手打ち品」の縁(へり)が厚いです。

両方とも、重さにさほど差はありませんが
打ち始める板の厚みが違うことによって
製作工程が大きく変わります。



分厚い板は、板自体が小さいので延ばすのにも
手間がかかります。また金鎚で叩くことによって
金属が鍛えられ良くしまり鳴りものに適した状態に
なっていきます。

「重目」も音は鳴りますが、ここまで鍛えられてないので
音はそれなりです。
「手打ち品」は良い楽器のような位置づけと言えるでしょうか。

ギターも、初級者や入門者用の数万円のものから
少し良いものでは、何十万円とか何百万円なんてものもあるように
妙鉢も同じようにとらえてもらえればと思います。


このあたりが、量産品の「重目」(中目も含む)と
「手打ち品」栄龍の違いです。

その昔は、本来なら「手打ち品」が普通品といえたのでしょうが
今や量産品があることによって、超高級品かのようになって
しまった「手打ち品」。

しかし、今後ご検討されるなら断然「手打ち品」=栄龍を
おすすめいたします。


真鍮材以外にも、さらに高価な「佐波理」材の妙鉢も受けたまわります。



妙鉢の違い、おわかりいただけましたでしょうか。


1月に書いた、関連のブログです。↓↓↓



http://inorilabo-2016.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-1d93.html



ご不明な点等、お気軽にご質問、お問い合わせくださいませ。

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2017年4月11日 (火)

妙鉢 各種の違い

「妙鉢の中目、重目ってなにがちがうの?」

最近よくこんな問い合わせがあります。

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     ※写真は 「重目」 の妙鉢

わかる範囲になりますが以下に記してみます。


●先ず、材料は?

真鍮と呼ばれる金属で、銅と亜鉛が配合された圧延の板でできています。

※圧延とは、金属の加工方法のひとつで金属の塊を、ローラーの間を通
して圧力で延ばし、板・棒などのかたちにしたもの。
ググってみてください。

妙鉢のように「鳴り物」とよばれるものは、この真鍮板で作られています。
真鍮は銅と亜鉛でできていて配合が70%、30%が良いとされています。
これを通称 「七三の真鍮」 しちさんの真鍮と言います。

「中目」「重目」はこの「七三の真鍮」の板を使い、「へら絞り」という技法で
成形し、次に機械で鎚目を打ちます。

その後、金属の板の表面を保護と化粧の意味で漆で着色します。

●「中目」「重目」の違いは?

その昔(いつの頃か定かではありませんが)から、
この大きさは、この板でつくるという標準目方があったようです。

一尺 = 一双 = 一貫目(3750g) ときいてます。

一双、4枚で一貫目なので、一枚は 937.5g。

これが今でいう「重目」にあたります。

では「中目」はというと

その昔、まだ材料が貴重とされ 手間賃より大事にされていた時代
価格を下げるために 考えたのが 手間は省けないので
材料を薄くしようということで 重さを重目の7掛けとしたのが 
中目 の始まりとのこと…

価格を抑えるための工夫だったようです。


現在も「中目」「重目」は、その名残のまま製作していますが、
今では、比較的材料も手に入りやすいこともあって 
標準目方よりは 1割 程度重くなっています。

よく、手打ち品は もっと重いんやろ! と聞かれますが
量産品も手打ち品も そう変わりません。
やはり標準目方を意識して作っております。

では、次回は 「中目」「重目」と「手打ち品」の違いを
お話します。

ご質問等、ございましたらお気軽にお問合せください。

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